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大日如来制作のご報告 本体がほぼ形になりました
2020.08.31
本体彫刻の動画:大森暁生公式You Tubeチャンネル
大日如来像制作の進捗のご報告です。
いよいよ、智拳印と胴体部分が組み合わされ、頭部以外の全身が姿を現しました。
2014年より、この事業に一心に取り組んできた拙僧としては、まさに感慨一入、
これまでの道のりがしみじみと思い出されます。
現在、コロナ禍のまっただ中の東京で、この大日如来像の制作は進められているわけですが、
一時、大森暁生先生とも相談し、工房を一旦閉鎖して制作を中断することも検討しましたが、
今は制作を続けることこそが、讃岐國分寺と大森暁生工房の社会的使命だと考えております。
そもそも、国分寺を全国に建立した聖武天皇の意図は、当時、流行っていた疫病を鎮め、人民を幸せにすることでした。
そのために都には、大和の国分寺である東大寺と奈良の大仏を建立しました。
我々が、今おこなっていることは、まさにその聖武天皇の理念の再現であり、
そのために国分寺が存在していると言っても過言ではないと考えます。
まさに今、我々がやるべきことは、手を止めることではなく、本来やるべきこと、果たすべき社会的使命に
ただひたすらにこれまで通り、いやこれまで以上に真剣に取り組むことだと考えております。
今、コロナ禍のせいで、社会全体が陰鬱としたムードに包まれ、
本来ならば、希望に目を輝かせているはずの子供や若人たちの目にも暗い影が宿っています。
今回制作している大日如来像を、そういう人たちにこそ見せてあげたい、
そして、世の中にはこんなにも素晴らしい体験があるのだということを感じてもらいたい、
そのためには最高のものを、どこにもないものを、比類なき美しさを、妥協のない完全性の追求を、
まだ経験したこと無い最高の体験を、そんな想いで取り組んでおります。
コロナ騒動は必ず、まちがいなく、いずれ終わります。そしてその日は決して遠くありません。
最後に、お釈迦様=ブッダの入滅前の言葉を紹介します。
「この世界は美しい。人生は甘美である。」
これが人生は苦しみに満ちていると考え、そこから抜け出す方法を追求し続けたブッダの出した答えです。
そしてこれこそがまさに、我々が今作っている大日如来像を通して、世界の人々に伝えたいメッセージです。
This world is worth living.
Your life is worth living.