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空海の大日如来像【今春の特別堂内拝観のお知らせ】

2026.04.05

【春の特別堂内拝観のお知らせ】
本日、4月5日より、5月最終の日曜日まで、毎週日曜日、「空海の幻の大日如来像」の特別堂内拝観(堂内体験プログラム)を実施いたします。

本像は当山住職が古文書や現存する仏像など確かな根拠を手掛かりに密教知識と独自の美学に基づき、発願から公開まで15年もの歳月をかけて再創造したものです。日本の仏像の歴史においても、仏教美術史2500年の中でもその最高峰に位置づけられる仏像であり、空海の密教思想を再考の純度と密度で具現化、可視化したものです。

世界のどこにも存在しないこの仏像は、お遍路さんや空海の信仰者だけでなく、仏像好き、アート好き、芸術を愛する全ての方にご覧頂きたいと願っております。また、決して期待を裏切らないレベルのものと断言致します。

このたびの特別堂内拝観にあたり、仏像の台座には新たに繊細なグラデーション塗装を施し、さらに最新の照明設備を導入するなど、これまで以上に充実した、より洗練された環境を整えて皆様をお迎えいたします。

本件仏像の実現は、ひとえに寄付者の皆様のご理解とご支援の賜物であり、心より深く感謝申し上げます。ぜひこの機会に、完成度を高めた現在の姿をご覧いただければ幸いです。

特別堂内拝観は、4月・5月の毎週日曜日に実施いたします。
寄付者の皆様には無料にてご拝観いただけます。
特別堂内拝観料(住職の詳しい解説を聞きながら仏像の周囲を360度巡る体験プログラムの参加料です。記念ピンバッジ付き)は一般の方は千円(高校生以下500円)となっております。

詳細につきましては、公式サイト内の特別ページをご確認ください。
この限られた貴重な機会に、皆様のお参りを心よりお待ち申し上げております。

合掌

四国八十番札所
讃岐国分寺住職拝

東京高等裁判所決定文の全文公開について|説明責任の履行

2026.04.04

【東京高等裁判所決定のご報告】

令和8年3月27日、東京高等裁判所は、本件仏像の引渡し仮処分に関する抗告事件において、彫刻家側の抗告を棄却し、当山の主張を認め、原決定を維持する決定を下しました。

本件においては、これまでに東京地方裁判所、高松地方裁判所および高松高等裁判所において、いずれも当山の所有権および請求の正当性が認められておりましたが、本決定により、四つの裁判所がそれぞれ独立した審理の結果として、同一の結論に至ったことになります。

本決定において裁判所は、当該仏像が当山において公開・展示されることを前提として制作契約が締結されたものであること、当山が制作費として多額の支払を行ってきたこと、また完成に至るまでの経緯において当山および関係者が公開に向けた準備を積み重ねてきたことなどの事実関係を詳細に認定しました。

その上で、彫刻家側が主張する著作権および著作者人格権に基づく公開の制限については、本件の経緯および契約の趣旨に照らし、「権利の濫用」に当たると明確に判断されました。

また、制作の性質や未完成部分の存在を理由として引渡しを拒むことはできないこと、契約の解除および完成部分の引渡請求が法的に認められることについても、裁判所は具体的事実に基づき判断しています。

これらの判断は、本件仏像が当山に帰属し、広く社会に公開されるべきものであることを法的に裏付けるものであり、同時に、本件に至った経緯およびその背景事情についても、司法の場において客観的に明らかにされたものと受け止めております。

当山といたしましては、本決定を厳粛に受け止めるとともに、四つの裁判所において示された一連の判断の重みを踏まえ、法の適正な運用により社会の秩序が維持されることの意義を改めて深く認識しております。

本件仏像は、多くの方々のご支援とご理解のもとに制作され、公開を通じて社会に還元されることを目的としてきたものであります。今後は、その本来の趣旨に立ち返り、仏像の公開・活用を通じて、広く社会に貢献してまいります。

これまで本件に関心を寄せてくださった皆様、また様々な形でご支援を賜りました方々に対し、心より感謝申し上げます。

合掌

 

令和8年4月吉日
讃岐国分寺
住職 大塚純司拝


【全文公開】東京高等裁判所決定文|本仏像プロジェクトに関する説明責任の履行

今回の仮処分手続がすべて終結したことを受け、当山には寄付者の皆様および各報道機関より、本件裁判の経緯および内容について、より詳細な説明を求めるお問い合わせを多数頂戴しております。

当山といたしましては、本仏像プロジェクトの主催者として、寄付者の皆様ならびに社会全体に対する説明責任を誠実に果たすことが不可欠であると考えております。

そのため、本件に関する理解を可能な限り正確に共有する観点から、裁判所の判断内容を恣意的に要約・抜粋することなく、原文のままお示しすることが最も適切であるとの判断に至りました。

ここに、東京高等裁判所が本件について示した決定文を、全文そのまま掲載いたします。

なお、本資料は裁判所の決定文を原文のまま掲載するものであり、特定の部分のみを抽出・編集することによる誤解を避ける趣旨によるものです。

当山は、本プロジェクト発願当初より、一貫して公正かつ誠実な姿勢をもって本件に臨んでまいりました。今後も引き続き、本件裁判に関する経過および内容について、寄付者の皆様ならびに社会に対し、適切かつ継続的に説明責任を果たしてまいります。


以下、PDFファイルにて、東京高等裁判所の決定文全文を掲載いたします。
国分寺×大森暁生 抗告決定(東京高裁)

また、先行する他3つの裁判所の決定文も以下から全文をご確認いただけます。
令和7年2月28日東京地裁仮処分決定
20260304高松高裁決定文
高松地裁 仏像公開差し止め仮処分解除の決定 250731

東京高等裁判所決定文(全文掲載)

(注)自動テキスト化しておりますので、その際の処理ミスの可能性がございます。正確な文言は上記のPDFファイル原本にてご確認ください。

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-8.4.1-

法律事務所
令和7年(ラ) 第839号 動産引渡仮処分決定認可決定に対する保全抗告事件(原
審・東京地方裁判所令和5年 (モ) 第53099号)
決 定
東京都足立区千住宮元町31-18
抗 告 人  大森 暁生
同代理人弁護士
川 添 丈
余 頃 桂 介
河 野 壮 志
高松市国分寺町国分2065番地
相 手 方 国 分 寺
同代表者代表役員 大 塚 純 司
同代理人弁護士 中 田 祐 児
小 泉 博 嗣
島 尾 大 次
高 木 誠 一 郎
益 田 歩 美
美 馬 和 仁
伊 丹 元 哉
主 文
本件抗告を棄却する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
理 由
第1 抗告の趣旨及び理由
抗告の趣旨及び理由は、保全抗告申立書、保全抗告申立理由書及び保全抗告
第1主張書面〜第7主張書面(ただし、第3主張書面は令和7年9月17日受
付のもの)に記載のとおりであり、これに対する反論は、保全抗告答弁書(令
  • 1 – (p. 1)

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和7年5月14日付けのもの) 及び保全抗告主張書面1〜主張書面5に記載の
とおりであるから、これらを引用する。
第2 事案の概要等(以下、略称は、新たに定めるほかは、原決定の例による。)
1 宗教法人である相手方は、平成25年4月頃、彫刻家である抗告人に対し、
相手方において公開、展示等に使用することを目的として、空海が平安初期に
造立した大日如来像を再現した大日如来像及びその付属設備一式(本件仏像)
の制作を依頼した(以下、本件仏像の制作に係る相手方と抗告人との間の契約
を「本件契約」という。)。
本件は、相手方が、民法641条により本件契約を一部解除したと主張して、
抗告人に対し、所有権に基づき、本件仏像の完成部分の仮の引渡しを求める仮
処分の申立て(本件仮処分申立て)をした事案である。
2 東京地方裁判所は、令和5年11月22日、相手方の本件仮処分申立てを認
容する決定(本件仮処分決定)をしたところ、抗告人は、これを不服として保
全異議を申し立てた。
3 原審は、相手方は、本件契約が不代替的作為義務を目的としている等の事情
があっても、民法641条により本件契約を一部解除することができ、本件仏
像の完成部分の所有権は制作費相当額を支払った相手方にあり、抗告人の公表
権、同一性保持権、展示権の主張は権利濫用に当たるなどとして、所有権に基
づく本件仏像の引渡請求権を認めて、本件仮処分決定を認可したところ、抗告
人がこれを不服として保全抗告をした。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も、本件仮処分申立ては、被保全債権である所有権に基づく本件仏
像の引渡請求権の疎明があり、相手方に生ずる著しい損害を避けるための必要
があると一応認められるから、本件仮処分申立てを認めた原々決定は相当であ
ると判断する。その理由は、抗告理由を踏まえて次のとおり補正するほかは、
原決定の「理由」 中の 「第3 主たる争点に対する判断」に記載のとおりであ
  • 2 – (p. 2)

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るから、これを引用する。
(1)原決定4頁1行目の「令和2年12月発行の雑誌においては、」の次に「抗
告人にも取材した上、」を加える。
(2) 原決定4頁6行目の「公表した」を「公表することとして、その原稿を作
成した」と改める。
(3) 原決定6頁2行目から同3行目にかけての「債権者の「天蓋」に対する提
案に関し」を「相手方からの「天蓋」の設置に関する作業の実施についての
提案に対し」と、同4行目の「実施は困難であり」を「実施は困難である旨を
述べ」とそれぞれ改める。
(4) 原決定6頁6行目から同7行目にかけての「本件仏像の完成内覧会も中止
となった。(甲52の9・11)」を「抗告人は、同月28日、本件仏像の完
成内覧会を中止することを決定した。(甲52の9〜11)」と改める。
(5) 原決定6頁21行目末尾に「相手方は、抗告人に対し、令和5年10月6
日到達の同月5日付け主張書面5をもって民法641条等に基づき本件契約
を解除するとの意思表示をした(以下「本件解除」という。)。」を加える。
(6)原決定8頁7行目冒頭から同11行目末尾までを次のとおり改める
「さらに、前記認定のとおり、抗告人は、令和5年2月23日の相手方、
設計事務所等との打合せや同年8月17日までの抗告人の個展の開催、輸
送業者の手配等を踏まえて、同月25日に本件仏像の引渡しを行う旨を確
認した上(認定事実(11))、同年4月には、同年7月14日から本件仏像
の完成内覧会を行うことを決定し(同(13))、同年6月には、抗告人主催
のイベントにおいて、本件仏像に関する展示パネルを設け、同パネルに同
月末に工房にて完成、同年8月末に本件大日如来堂に納入する旨を記載し
(同(15))、同年6月28日までは、個展の開催と並行して、同年7月1
4日から完成内覧会を行う前提で準備を進めていたこと(同(16)、(17))
が認められる上、同年10月6日の本件解除の時点においては、本件契約
  • 3 – (p. 3)

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に未履行部分があるとしても、当該未履行部分は抗告人がいうように「内
覧会を中止にしたことで、仕上げにもさらにもう少し欲が出てき」たとい
う程度のものと考えられるから(甲52の11)、本件契約の大半は履行
済みであったものと認められる。このような事情の下においては、仕事の
既履行部分の可分性や利益性を満たしているものといえるし、抗告人が本
件仏像の制作が不代替的作為義務であることを理由として本件仏像の引渡
しを拒絶することはできないというべきである。したがって、本件解除が
可分性や利益性の要件を満たさないこと、本件仏像の制作が不代替的作為
義務であることを理由として、抗告人が本件仏像の引渡しを拒むことがで
きる旨の抗告人の主張は採用できない。」
(7) 原決定8頁17行目冒頭から同9頁18行目末尾までを次のとおり改め
る。
「ウまた、抗告人は、抗告人には展示権、同一性保持権あるいは公表権が
あることを主張する。
しかし、抗告人が著作権 (展示権) 又は著作者人格権(同一性保持権、
公表権)を有するとしても、それらの侵害の停止又は予防を請求し(著
作権法112条1項)、それらの侵害に対する損害賠償を請求する(同
法114条)ことなどができることはさておき、当該著作権又は著作者
人格権の客体である本件仏像の所有権に基づく引渡請求権の行使を阻止
することが直ちにできるものとはいえない。
この点を取りあえずおくとしても、前記認定のとおり、本件契約は、
本件仏像を相手方において公開、展示等に使用することを予定して締結
されたものであり、平成25年4月頃の契約締結時には、制作期間3年、
制作費3000万円を目安としていたところ(認定事実(3))、抗告人の
多忙等を理由に、制作期限は平成31年4月末、令和3年3月末と次々
と延期され(同(4)、(5))、制作費も既に8000万円を超える額を相
  • 4 – (p. 4)

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手方が抗告人に対し支払っていた中で(同(4))、令和4年9月以降、抗
告人の意向、その個展の開催、輸送業者の手配の都合等をも踏まえて、
引渡日を令和5年8月25日、開眼法要の実施日を同年10月7日とす
る日程が決定され(同(10)、(11))、本件契約の当事者双方において、本
件大日如来堂の改修等の請負契約の締結・改修作業の実施、完成公開予
定の公表、完成内覧会の日程の決定、上記日程を前提としたクラウドフ
ァンディングの実施、テレビ局や新聞社による取材への対応など、上記
日程に沿った行動を積み重ねていたこと(同 (12)〜(16)、(18))が認め
られる。それにもかかわらず、抗告人は、同年8月に至って、従前は作
成を不要としていた契約書を作成しなければ本件仏像を引き渡さない旨
主張し(同(19)、(20)、甲61の1・2)、契約締結時の制作費の目安で
ある3000万円や、本件仏像の制作費と本件大日如来堂の改修費等の
合計額が1億3500万円であることを前提とする従前の言動から大き
く乖離した6億3360万円をもって相手方が抗告人に対し支払うべき
報酬額であると主張するに至っていること(同(9)、(25))などを踏まえ
ると、本件仏像を相手方において公開、展示等に使用することが当初か
ら予定されており、これを前提としたクラウドファンディング等により
第三者からの多数の寄進等がされていたことを抗告人も知悉していたに
もかかわらず、抗告人が相手方に対し展示権、同一性保持権あるいは公
表権を主張して、本件仏像の所有権に基づく引渡請求権の行使を阻止し
ようとすることは、権利の濫用に当たるというべきである。」
(8) 原決定9頁23行目の「支払っている。」の次に「クラウドファンディン
グ等により第三者からの多数の寄進等がされている」を加え、同10頁11
行目の「(なお、」から同12行目末尾までを「。抗告人は、民法246条1
項ただし書により、相手方が材料費を上回る代金の支払をしていたとしても、
相手方に所有権は帰属しない旨主張するが、乙12の簡易鑑定評価書によっ
  • 5 – (p. 5)

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ても、本件仏像の価格が材料の価格を著しく超えることが疎明されたもの
は認め難いから、抗告人の主張は採用できない。」と改める。
(9) 原決定10頁20行目末尾に「抗告人は、相手方が令和7年10月11日
に本件仏像を公開したことから、本件仮処分申立ての目的を達し、保全の必
要性が消滅したなどと主張するが、保全執行を経て本件仏像の公開に至った
ことをもって、本件仮処分申立ての目的を達したなどといえないことは明ら
かであり、抗告人の主張は採用できない。」を加える。
2 以上によれば、原々決定を認可した原決定は相当であり、本件抗告は理由が
ないから、主文のとおり決定する。
令和8年3月27日
東京高等裁判所第7民事部
裁判長裁判官 市 原 義 孝 (印)
裁判官 古 庄 研 (印)
裁判官 鈴 木 和 孝 (印)
  • 6 – (p. 6)

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これは正本である。
令和8年3月27日
東京高等裁判所第7民事部
裁判所書記官 厚 木 由 希 (印)
  • 7 – (p. 7)

空海の大日如来像再現プロジェクトに関するご報告

2026.03.05

空海の大日如来像再現プロジェクトにご支援くださった皆さまへ

平素より讃岐国分寺の大日如来像建立事業に温かいご支援を賜り、心より御礼申し上げます。
また、本事業に際し全国各地より尊いご寄付をお寄せいただきましたこと、改めて深く感謝申し上げます。
このたび、本件仏像の公開をめぐり当山と彫刻家との間で続いていた仮処分事件について、令和8年3月2日、高松高等裁判所は彫刻家側の抗告を棄却する決定を行いました。
本件仏像は多くの皆さまのご寄付によって建立されたものであり、その公開に関わる問題であることから、寄付者の皆さまへの説明責任を果たす目的で、裁判の経緯と裁判所の判断をご報告申し上げます。

1 裁判の結論

高松高等裁判所は、本件について次のとおり決定しました。

・彫刻家側の抗告を棄却
・抗告審で追加された申立ても却下
・手続費用は彫刻家側の負担

この決定により、仏像の公開等を差し止める法的根拠は認められず、
国分寺による仏像公開は著作権侵害には当たらないという判断が示されました。
2 三つの裁判所が一致して示した判断
本件についてはこれまでに
東京地方裁判所
高松地方裁判所
高松高等裁判所
という三つの独立した裁判所が審理を行っています。
そしてこれらの裁判所はいずれも、
仏像の所有権が国分寺にあること
国分寺による仏像公開を妨げる法的根拠は認められないこと
を認める判断を示しています。
すなわち、三つの独立した裁判所がそれぞれ審理を行った結果、
いずれも国分寺の正当性を認める判断が示されたことになります。
3 裁判所が認定した重要な事実
高松高等裁判所は、本件仏像について次の事実を認定しています。
・本件仏像は国分寺に祀られる信仰の対象として制作されたこと
・仏像は完成後、国分寺に搬入・設置され公開されることが予定されていたこと
仏像は令和5年8月頃には公開に耐え得る状態に完成していたと認められること
・仏像の所有権は国分寺に移転していると解されること
また裁判所は著作権法の規定を踏まえ、
仏像を注文者に引き渡した場合、その展示による公開には同意したものと推定される
と判断しました。その結果、裁判所は、国分寺による仏像の公開は著作権侵害に当たらない
と結論付けています。
4 仏像公開が遅れていた経緯
本件仏像は、四国霊場開創1200年を記念する事業として建立され、当初は令和5年秋頃に開眼法要を行い公開する予定でした。
しかしながら、その後、彫刻家側が仏像の引き渡しを拒否し、東京地裁の決定に基づく強制執行による引き渡し後も、さらに仏像公開の差止めを求める仮処分が申し立てられたことにより、公開の可否が裁判によって争われる状況となりました。
この仮処分による法的制約のため、当山としては仏像の組み立てと公開を進めることができず、結果として公開が大きく(約二年)遅れることとなりました。
今回、高松高等裁判所が、彫刻家が申し立てた公開差し止めの仮処分には理由がない
と判断したことにより、仏像公開をめぐる法的問題は大きく整理されることとなりました。
5 寄付者の皆さまへのお詫び
本プロジェクトは、全国の多くの皆さまのご寄付によって実現したものです。
本来であれば、建立された仏像は速やかに公開されるべきものでありましたが、彫刻家による引き渡し拒否および公開差し止めの仮処分申し立てにより公開が大きく遅れる結果となりました。
長らくご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
6 当山の考え
本件大日如来像は、多くの寄付者の皆さまの信仰心と志によって建立されたものです。
当山としては、この仏像を信仰の対象として広く公開することこそが、本事業の本来の目的である
と考えています。
現在もなお彫刻家側は従前と同様の主張を続けており、法的手続は完全に終結しているわけではありませんが、当山としては、これまで示された裁判所の判断を踏まえながら、寄付者の皆さまの信仰の思いと仏像公開の目的を守るため、今後も法的手続に適切かつ厳正に対応してまいります。
7 最後に
本件大日如来像造立事業は、弘法大師空海が平安初期に造立したと伝えられながら後に失われた大日如来像を、現代に再現し、信仰と文化を未来へ伝える
という志のもとに行われました。
この志は、全国の多くの皆さまの共感とご支援によって実現したものです。
当山は今後も、
寄付者の皆さまの信仰の思い
仏像造立の本来の目的
を守りながら、
信仰と文化を未来へ伝える使命を果たしてまいります。
具体的には、今春も4月・5月の毎週日曜日に、堂内拝観体験プログラムを実施する予定です。
一般的な仏像を正面から見るだけの拝観とは異なり、
本プロジェクトは堂内空間そのものも作品となっており、
仏教世界を表現した堂内空間に入り込み、住職の説明を聞きながら、
仏像の周囲360度を巡るという自身の体(五感)を通じた、
ここでしかできない唯一無二の感動体験です。
さらに、昨年の秋に公開した時の状態から、
・台座のグラデーション塗装
・最新の照明器具の追加更新
など、より感動を味わっていただけるよう、日々、堂内環境の改良進化を続けておりますので、
皆様におかれましては、すでに特別拝観頂いた方もそうでない方も、
ぜひ、本体験プログラムにご参加くださいませ。
引き続き、皆さまのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
合掌
讃岐国分寺
住職 大塚純司 九拝

年末年始のご挨拶 ― 公益としての仏像公開と当山の歩み

2025.12.31

令和7年は、讃岐国分寺にとって大きな節目となる一年でした。
年末にあたり、また新たな年を迎えるにあたり、当山の歩みをご報告申し上げます。

本年、仏像を巡る法的手続において、
本像の所有権・著作権・公開の権利が当山に帰属すること
ならびに、**制作工程の一部を担った関係者による公開を妨げる主張や行為が、
権利の正当な行使の範囲を逸脱するものであること(いわゆる権利の濫用)**について、

東京地方裁判所および高松地方裁判所の二つの裁判所はいずれも、
当山の主張を明確に認める判断を示しました。

これらの司法判断により、
寄付者の皆さまとのお約束のもとに進めてきた本像の公開が、
法と社会の両面から正当なものであることが確認されました。

一方で、これら二つの裁判所による共通した正当な判断が示された後もなお、
当該関係者による抗告が続けられ、
公開を妨げようとする法的主張・手続が継続している状況があります。

当山はこれを、
単なる個別の紛争としてではなく、
信仰と文化を社会に開くという公益の在り方、
さらには日本国憲法により保障された信仰の自由・表現の自由の根幹に関わる問題
として
重く受け止めています。

また本件は、
構想・意匠・思想的内容を創作した主体と、
その具体的作業を創作者の指示に基づき技術的に代行した主体との役割の違いが、
適切に区別されなければならないという、
著作権制度の根幹に関わる重要な論点を含んでいます。
その意味において、本件は特定の当事者間にとどまらず、
べての創作者の権利と表現の自由に影響を及ぼし得る社会的課題であると考えています。

当山は、感情的な対立や非難を目的とすることなく、
法の定めと司法の判断に基づき、
正義と公益を守る立場から、毅然として対応を続けてまいります。

現在、大日如来像は、
一年を通して、堂外からガラス越しに無料で拝観いただける形で公開を継続しております。
日々、多くの方が足を止め、静かに手を合わせ、
深い感動の声を寄せてくださっています。

また、令和8年には、4月・5月・10月・11月の各月の日曜日に、堂内特別拝観を予定しております。
これは、寄付者の皆さまへの責任であり、
信仰と文化を社会に開き続けるという当山の務めです。

本像は、
寄付者の皆さまのご善意と、社会への公開を前提とした当山の構想と決断によって生まれました。
その信頼に応え続けることこそが、
当山に課せられた最も重い責任であると考えています。

信仰と文化は、
誰かの都合や一時的な争いによって閉ざされるものではありません。
法の下で守られ、社会に開かれ、
次の世代へと静かに受け渡されていくべきものです。

新たな年においても、
当山は変わることなく、誠実に、そして揺るぎなく、
本像の公開と公益的役割を果たし続けてまいります。

これまでのご支援に、心より感謝申し上げますとともに、
皆さまの新しい一年が穏やかで実り多きものとなりますよう、
心よりお祈り申し上げます。

合掌

讃岐国分寺
住職 大塚純司 九拝

【大日如来像 今期の堂内拝観 終了のご報告と来年の予定】

2025.12.01

【大日如来像 今期の堂内拝観 終了のご報告と来年のご案内】

日頃より、讃岐国分寺「空海の大日如来像再現プロジェクト」に温かいご支援を賜り、誠にありがとうございます。

本日をもちまして、2025年に予定しておりました 特別堂内拝観の全日程を無事終了 いたしました。

連日多くの皆さまにご参拝いただき、堂内で大日如来像と静かに向き合う尊い時間をご一緒できましたこと、心より御礼申し上げます。
仏像とともに法話を聞き、「涙が出た」「生涯忘れられない体験だった」といったお声も多数寄せられ、当山としても大きな励みとなりました。


■ 1. 通年公開(堂外拝観)について

堂内拝観は期間限定となりますが、
大日如来像の公開そのものは一年を通じて行っております。

大日如来堂正面には、特注の 低反射・高透過大型ガラス を設置しており、
堂外からでも像の表情や存在感を極めて鮮明に感じていただけます。
(本当稿の写真は堂外からガラス越しに撮影したものです。)

季節や天候、時間帯によって光が変化し、
さまざまな表情をご覧いただけますので、
どうぞお好きなタイミングでお参りください。


■ 2. 来年(2026年)以降の特別堂内拝観について

多くの皆さまからのご要望にお応えし、
来年も特別堂内拝観を予定 しております。

予定時期は以下の月の日曜日を基本として準備しております。

  • 4月

  • 5月

  • 10月

  • 11月

※具体的な日程・受付方法・時間等の詳細については、
最終決定後に 公式サイトにてご案内 いたします。
(2026年3月半ばまでに発表を予定しております)

安全管理上、堂内拝観は人数に限りがございますが、
心静かに向き合える貴重な時間をご提供できるよう、
準備を進めてまいります。


■ 3. 招待状について(寄付者の皆さま)

今回お送りした 特別招待状 は、
来年以降も引き続きご利用いただけます。

今年ご参拝が叶わなかった方、
再度じっくり向き合いたいと願われる方も、
どうぞ大切に保管のうえお越しください。
また、特別招待状送付対象の方(1万円以上のご支援)で、
引っ越し等で招待状が届いていない方は、直接お越しいただき、
受付にお申し出頂ければ、その場で招待状の発行をいたします。


■ 4. 快適にお参りいただける環境づくり

讃岐国分寺では現在、

  • 水洗トイレ(烏枢沙摩明王堂)の建て替え事業

  • 境内案内看板や動線の改善

  • 手水舎の自動水洗化工事

等の、快適にお参り頂けるための環境づくりに取り組んでおります。
さらに、快適な参拝環境の中で、大日如来像が「心の拠り所」となるよう、
今後も環境づくりに努めてまいります。


■ 5. 最後に

皆さまから寄せられた祈りと真心は、
確かにこの大日如来像に宿り、
多くの方の心を照らし続けています。

これからも温かく見守っていただけますと幸いです。

この世界は生きる価値がある。
あなたの人生は生きる価値がある。

讃岐国分寺
住職 大塚純司

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大日如来像「THE FIRST BUTSUZO」公開のご挨拶

2025.10.11

十五年の祈り、ついに結実――大日如来像「THE FIRST BUTSUZO」公開のご挨拶

本日10月11日、構想から足掛け十五年におよぶ歳月をかけて造立を進めてまいりました
「空海の幻の大日如来像」が、ついに讃岐国分寺において開眼・公開の日を迎えました。

この像は、全国の寄付者の皆さま、制作に携わった工房スタッフの皆様、彩色と仏画でご尽力いただいた塩崎顕先生、
お堂の修理と補強を堅実にしていただいた小比賀工務店様、内装設計を考えて頂いた成瀬猪熊建築設計事務所様、その施工と困難な組み立てを完遂していただいた菅組の現場監督、松本進様、工事関係者の皆様、強制執行による回収を手伝っていただいた澄星月堂様、
そして三度のクラウドファンディングを通じて孤独な勧進を陰に日向に支えてくださった
デザイン事務所ハレノシタクのデザイナー宮間晴香様をはじめとする多くの方々の力によって、
ようやく完成の時を迎えることができました。

この十五年の道のりは、決して平坦なものではありませんでした。
構想、製作、資金集め、そして幾多の困難――
しかし、そのすべてを怒りではなく祈りと信念の力に変え、歩み続けてきました。

この像は、まさに「祈り」と「信念の勝利」の象徴です。

発願の原点は、一人のお父さんとその娘さんの姿でした。
深い悲しみの中でなお生きようとする人々へ、
「この世界は生きる価値がある」と伝えたい。
その思いこそが、この仏像を生んだ出発点でした。

この像に込めた祈り――
『この世界は生きる価値がある。あなたの人生は生きる価値がある。』

そしてこの大日如来は、あなたも私も、
あのお嬢さんも、そのお父さんも、すべてが同じひとつの命であることを示しています。
この宇宙全体がひとつの生命であるという真理を形にしたものです。

ご寄付くださった方々もまた、この像の創り手の一人です。
亡くなられたご家族の思いも、この像の中に永遠に息づいています。

この仏像は、芸術と信仰、思想と技術、祈りと科学――
そのすべてが交わって生まれた「人類の至宝」であり、
仏教美術2500年における新たな到達点となりました。

この日を迎えることができたのは、皆さまお一人お一人のご支援のおかげです。
心より深く御礼申し上げます。

どうかこの像を前に、
「ああ、この世界にはまだ美しいものがある」
「生きていてよかった」
そう感じていただければ、それが何よりの報いです。

――――
この世界は生きる価値がある。
あなたの人生は生きる価値がある。

合掌
讃岐国分寺 住職 大塚純司九拝

特設ページ公開と寄付者特別拝観ご案内のお知らせ

2025.10.01

特設ページ公開と寄付者特別拝観ご案内のお知らせ

このたび、讃岐国分寺の新たな挑戦「THE FIRST BUTSUZO」プロジェクトの特設ページを公開いたしました。

特設ページでは、空海の言葉「密蔵は深玄にして翰墨に載せ難し。さらに図画を仮りて悟らざるに開示す」を思想的基盤とし、十数年の歳月をかけて完成した大日如来像の全容をご紹介しています。

  • プロジェクト名に込められた 7つの“FIRST”の意味

  • 八頭の獅子、三十七尊立体化、宝冠五仏、ガラスパーツ、礼拝空間といった 見どころ

  • 一組の父娘との出会いから始まった 発願のストーリー

  • 多くの寄付者と共に歩んだ 制作の歩み

また、本日より、これまで本像の造立を支えてくださったご寄付者の皆さまに、
堂内特別拝観へのご招待状を発送いたしました。
しばらくの期間は、公開のお約束を果たすために、
招待状をお持ちのご寄付者の皆様を優先的にご案内させていただきます。

本像は単なる復元ではなく、空海の構想を起点に、独自の解釈と現代の美学を融合させた「仏教美術2500年の到達点」とも言える新しい仏像です。

どうぞ特設ページをご覧いただき、この歴史的プロジェクトの全貌に触れてください。

特設ページはこちら
[THE FIRST BUTSUZO プロジェクト特設ページ]

【ご報告】大日如来像、組み立て完了のお知らせ

2025.09.18

【ご報告】大日如来像、組み立て完了のお知らせ

平素より讃岐国分寺の大日如来像造立プロジェクトに、多大なるご支援とご関心を賜りまして、心より厚く御礼申し上げます。

このたび、長らく取り組んでまいりました大日如来像の組み立て作業が、ついに最終段階を迎え、すべてのガラスパーツの取り付けを含め、主要な組み立て工程が完了いたしました。高さ約四メートルに及ぶ本像は、光を受けて輝くガラスの蓮華や光背をまとい、堂内に荘厳な光景を現しております。

発願から足かけ十五年、全国から寄せられた数万人の皆様の温かいご寄付と祈りに支えられ、ここまで歩んでくることができました。この場をお借りして、改めて深く感謝申し上げます。

現在、残されているのは細部の調整や最終的な仕上げのみであり、10月11日(土)から予定しております公開は、問題なく実施できる見通しとなっております。公開初日には、まず法要を厳修し、その後、寄付者の皆様を優先して堂内へご案内申し上げる予定です。

この大日如来像は、単なる美術作品ではなく、祈りと願いを込めて造立された「現代に甦る空海の大日如来像」であり、多くの方々に「この世界は、生きる価値がある。あなたの人生は、生きる価値がある。」という本像に込めたメッセージを感じ取って頂くことを願っております。

今後も公開に向けて最後まで責任を持って準備を進めてまいります。ご寄付者の皆様には郵便にて公開の招待状をお送りいたしますとともに、公開についての詳細な情報は、決まり次第、こちら公式サイトにてお伝えいたします。どうぞ当日を楽しみにお待ちいただければ幸いです。

合掌
讃岐国分寺 住職
大塚純司

【THE FIRST BUTSUZO】 私が仏像に込めた想い( +English Edition)

2025.09.03

THE FIRST BUTSUZO ― 私が仏像に込めた想い


Ⅰ. 原点 ― 一組の親娘との出会いから

全ての始まりは、東日本大震災のあった冬、小雪の舞う寒い日。
一組のご夫婦がお嬢さんを連れて当寺を訪れました。お嬢さんは重い障がいを持ち、寝台状の車椅子に横たわっていました。救いと癒しを求めて参拝されたのでしょう。しかし、お父様の表情には深い苦悩が刻まれ、消えることはありませんでした。

その姿を目にしたとき、私は僧侶として、また寺院として、彼らが求めるものを十分に提供できていないのではないかと感じました。力不足を恥じると同時に、「救いを求める人に対して、私にできることは何か」を改めて問い直したのです。

その問いが、私を大きな決意へと導きました。――空海が構想した幻の大日如来像を甦らせること。


Ⅱ. 発願 ― 空海の構想を再解釈する

空海が構想した大日如来像は、500年前に戦乱で焼失した幻の仏像です。
私は歴史研究者としての知識と、密教僧としての修行と思想および宗教観を重ね合わせ、古文書を独自に読み解き、空海のビジョンを現代的に再解釈しました。

そして、「ただの復元」ではなく、私個人の思想と価値観および美学に基づき、空海以降から現代に至る密教思想の深化を加えた全く新しい独自の大日如来像の完成図を描きあげたのです。

これを立体化するため、私は彫刻家の工房に依頼し、10年以上にわたり、無数の具体的指示を出し続け、私の構想を忠実に形にしていきました。その過程は苦難の連続でしたが、私はただ一つの信念に突き動かされていました。――人々に希望と救いを届けたいという思いです。


Ⅲ. 密教の方法論 ― 言葉を超えるメッセージ

空海の言葉に、こうあります。

「密蔵は深玄にして翰墨に載せがたし。さらに図画を仮りて悟らざるに開示す。」

(密教の教えは奥深く難解であり、言葉や文字では伝えることができない。ゆえに絵画や仏像などのビジュアルを借りて、まだ悟っていない人々にその教えを示すのだ)

私はまさにこの方法論を実践したいと考えました。
言葉ではなく、仏像という視覚表現を通じて苦悩を抱える人々にポジティブなメッセージを届ける。それこそが、現代における僧侶としての使命であると信じたのです。

そのメッセージとは――

「この世界は生きる価値がある。あなたの人生は、生きる価値がある。」


Ⅳ. THE FIRST BUTSUZO プロジェクトとは

こうして生まれた仏像込めた想いを世界に伝えるために、私は“THE FIRST BUTSUZO” プロジェクトと名付けました
これは単なる過去の仏像の再現ではなく、空海の構想を起点にしつつ、そのはるか昔から現在まで2500年に及ぶ仏教美術の歴史と思想を統合し、その頂点を目指す究極の仏像を生み出す試みです。

“THE FIRST” に込めた意味

  1. 初めての出会い – 外国人にとって人生で初めて出会う本物の日本仏像。

  2. 頂点としての第一 – 2500年の仏教美術史の到達点。

  3. 原点と再生 – 空海の幻の大日如来像を起源とし、500年ぶりに甦らせた。

  4. 唯一無二 – 他には存在しない、ただひとつの仏像。

  5. 新しい第一歩 – 伝統を継承しつつ、未来を見つめて進化した革新的な仏像。

  6. 普遍的な体験 – 誰にとっても一度きりの、言葉を超えた精神的な原体験。

“THE FIRST BUTSUZO” プロジェクトという名には、このような思いが込められています。


Ⅴ. 未来への展望 ― 新しい宗教活動のかたち

私の計画はこの大日如来像だけにとどまりません。
本尊である大日如来像に加え、二体の脇侍――不動明王と金剛薩埵(こんごうさった)を造立する構想を進めています。

この三尊構成は、空海が東寺で構想した「立体曼荼羅」に起源を持ちますが、
しかし私は、単なる模倣ではなく、独自の解釈を加え、これまで存在しなかった全く新しい姿の不動明王と金剛薩埵像を生み出すことを目指しています。

これは単に過去を再現するのではなく、未来に向けて進化する、これまでに存在しない全く新しい仏像を生み出す試みです。
すなわち、THE FIRST BUTSUZO プロジェクトは、新しい時代の仏像を用いた宗教活動であり、その可能性は無限に広がっています。


Ⅵ. 結び ― あなたと共に未来へ

私はこの十数年、すべての情熱をこの仏像造りに注いできました。
その原点は、一人の父と娘の苦悩に寄り添いたいという思いでした。
そしてこれから先、この仏像はすべての人々に向けて、

「この世界は生きる価値がある。あなたの人生は、生きる価値がある。」

というメッセージを放ち続けます。
どうか、この物語を共に分かち合い、未来へと広げてください。
この仏像は、あなたと共に歩むためにここにあります。

合掌

令和七年 九月吉日
四国八十番札所 讃岐国分寺
住職 大塚純司 九拝

— English Edition


THE FIRST BUTSUZO — The Vision I Placed into This Statue


I. The Origin — An Encounter with a Family

It all began in the winter of the Great East Japan Earthquake, on a day when light snow was falling.
A couple visited our temple with their daughter, who was lying in a special bed-shaped wheelchair due to a severe disability.
They came in search of comfort and healing. Yet, the father’s face remained deeply marked by sorrow and despair.

At that moment, I felt that as a priest, and as a temple, I was not offering them what they truly sought.
Ashamed of my own inadequacy, I asked myself anew: What can I do for those who come here seeking salvation in the midst of their suffering?

This question led me to a great decision — to revive the long-lost vision of Kūkai’s Great Dainichi Nyorai statue.


II. The Vow — Reinterpreting Kūkai’s Vision

The great statue once envisioned by Kūkai had been lost to fire in warfare five centuries ago.
Drawing upon my training as a historian, my life as a monk of Esoteric Buddhism, and my own religious philosophy, I re-examined ancient manuscripts and sought to reinterpret Kūkai’s vision for our time.

What emerged was not a mere “replica,” but an entirely new image of Dainichi Nyorai: a vision shaped by my own philosophy, values, and aesthetics, deepened further through the evolution of Esoteric Buddhist thought from Kūkai’s era to the present.

To give it physical form, I entrusted the work to a sculptor’s atelier. For over ten years, I continued to issue countless specific instructions, striving to ensure that my vision would be realized faithfully.
The process was filled with hardship, but one unwavering conviction sustained me: the wish to bring hope and solace to people through this statue.


III. The Method of Esoteric Buddhism — A Message Beyond Words

Kūkai once wrote:

“The esoteric treasury is so profound that it cannot be conveyed by brush and ink. Thus, we borrow images to reveal it to those not yet awakened.”

Esoteric Buddhism teaches that truth is too deep and complex to be transmitted through words alone.
Instead, it must be conveyed through visual expression — through sacred forms and statues.

This is the very method I sought to embody.
Not through words, but through the presence of the Buddha image, I wished to deliver a positive message to those burdened with suffering.

That message is simple, yet absolute:

“This world is worth living in. Your life is worth living.”


IV. The Meaning of THE FIRST BUTSUZO Project

Thus, this statue was born.
To share its spirit with the world, I named this endeavor THE FIRST BUTSUZO.

It is not the reproduction of a past image, but an attempt to create the ultimate Buddhist statue — one that begins with Kūkai’s vision, yet integrates 2,500 years of Buddhist art and philosophy into a single form, standing at the very pinnacle of that history.

The Many Meanings of “THE FIRST”

  • My First Encounter – For many, especially visitors from abroad, it will be their first authentic encounter with a Japanese Buddha statue.
  • The Ultimate First – The culmination of 2,500 years of Buddhist art.
  • Origin and Renewal – Reviving the lost vision of Kūkai after five centuries.
  • The Only One – A creation without parallel, unique in the world.
  • A New Beginning – A step forward, carrying tradition into the future.
  • A Universal Experience – A once-in-a-lifetime encounter that transcends language.

The name THE FIRST BUTSUZO carries all of these meanings within it.


V. The Future Vision — A New Form of Religious Practice

My plan does not end with this Great Dainichi Nyorai.
I am preparing to add two attendant figures: Fudō Myōō and Kongōsatta (Vajrasattva).

This triad echoes the Three-Dimensional Mandala once conceived by Kūkai at Tōji in Kyoto.
Yet, I will not simply reproduce the past.
Through my own interpretation, I intend to create entirely new and unprecedented forms of Fudō Myōō and Kongōsatta — statues that have never before existed.

This is not a return to the past, but a step into the future: the creation of new Buddhist images for a new age.
In this sense, THE FIRST BUTSUZO Project is more than a statue; it is a new kind of religious practice, opening limitless possibilities for the future.


VI. Conclusion — Walking into the Future Together

For more than a decade, I have poured all my passion into the creation of this statue.
Its origin lay in the suffering of one father and daughter — but its message now extends to all people.

This statue will continue to declare, to everyone who stands before it:

“This world is worth living in. Your life is worth living.”

Let us share this story together, and carry it into the future.
This Buddha exists to walk alongside you.

Respectfully,

Sanuki Kokubunji
Chief Priest
Junji Ōtsuka

大日如来像 一般公開の“予告”とご案内

2025.08.26


大日如来像 一般公開の“予告”とご案内

発願から足掛け十五年。
私たちは、多くの方の祈りと浄財に支えられながら、大日如来像の造立に歩みを重ねてきました。制作の現場では失敗ややり直しを幾度となく受け入れ、裁判という厳しい局面にあっても、約束を誠実に果たすために最善を尽くし、行を修める年月でした。ここまで伴走してくださった寄付者・関係者の皆さまに、心より御礼申し上げます。

本像は、言葉ではなく「見ること」そのものが教え――すなわち救いとなるという密教の方法論を、正面から体現する試みです。
弘法大師のことばに、**「密蔵は深玄にして翰墨に載せ難し。更に図画を仮りて悟らざるに開示す。」**とあります。私たちは、形相・光彩・印相・荘厳の総体をととのえ、苦難のただなかにある方にも、言葉に先立って希望が届くよう、視覚表現に教えを結晶させることをめざしました。その原点には、東日本大震災の冬、小雪の中で出会った一組のご家族の祈りがあります。弱さや痛みの側にそっと寄り添い、その生の尊さを支えたい――その願いに基づき、私は本像のすべてを定め、制作を自ら主導して参りました。


公開時期について(予告)

当山は10月中の一般公開開始を目指して、最終準備を進めております。第一候補日は10月11日(三連休初日の土曜日)です。
ただいま、関係者の知恵と総力を結集して、全力で組み立てと、その完了後に行う安全確認・拝観動線などの最終検証
の準備を整えております。

最終的な日程は、これらの検証を経て「9月下旬」に公式発表いたします。
遠方よりご参拝を計画くださる皆さまにはご不便をおかけしますが、どうか今しばらくお待ちください。確定発表の際は、拝観時間等のご案内を合わせて掲出いたします。


当面の運用(寄付者優先公開について)

公開初期は混雑状況の見通しが立ちにくいため、これまでのご支援への深い感謝と、そのお約束を誠実に果たすため、当面は「寄付者優先公開」といたします。
ご寄付を頂いた皆さま(クラウドファンディングの拝観券リターンをお選びの方を含む)で、住所をお知らせ頂いている方には、公開日が確定し次第、拝観券を兼ねた招待状(ハガキ)を発送いたします。
ご参拝の際は、当該ハガキをご持参ください。同行者の可否・再入場・時間帯指定などの詳細は、招待状および公式サイトの確定告知にてご案内いたします。
※住所未登録・変更のある寄付者の皆さま向けの手続きにつきましても、確定告知時にご案内いたします。


本像に込めたメッセージ

この像が、人生の重さに押しつぶされそうな方々に、そっと救いの光を照らす存在であることを願っています。

—— この世界は、生きる価値がある。あなたの人生は、生きる価値がある。 ——

このメッセージを、説明板ではなく、尊像そのものが静かに語りかける。私はその一心で、本像の構想と制作、更なる構想の錬磨と具現化に打ち込んで参りました。

最終発表までの間も、準備の進捗を公式サイトおよびSNS(主にInstagram)でお知らせしてまいります。どうぞご自愛のうえ、その日を楽しみにお待ちください。

合掌

令和七年 八月吉日
四国八十番札所 讃岐国分寺
住職 大塚純司 九拝

 

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境内全域にほぼ段差がなく車椅子で全てお参りできます*個別お堂の参拝には段差がございます

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