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年末年始のご挨拶 ― 公益としての仏像公開と当山の歩み
2025.12.31
令和7年は、讃岐国分寺にとって大きな節目となる一年でした。
年末にあたり、また新たな年を迎えるにあたり、当山の歩みをご報告申し上げます。
本年、仏像を巡る法的手続において、
本像の所有権・著作権・公開の権利が当山に帰属すること、
ならびに、**制作工程の一部を担った関係者による公開を妨げる主張や行為が、
権利の正当な行使の範囲を逸脱するものであること(いわゆる権利の濫用)**について、
東京地方裁判所および高松地方裁判所の二つの裁判所はいずれも、
当山の主張を明確に認める判断を示しました。
これらの司法判断により、
寄付者の皆さまとのお約束のもとに進めてきた本像の公開が、
法と社会の両面から正当なものであることが確認されました。
一方で、これら二つの裁判所による共通した正当な判断が示された後もなお、
当該関係者による抗告が続けられ、
公開を妨げようとする法的主張・手続が継続している状況があります。
当山はこれを、
単なる個別の紛争としてではなく、
信仰と文化を社会に開くという公益の在り方、
さらには日本国憲法により保障された信仰の自由・表現の自由の根幹に関わる問題として
重く受け止めています。
また本件は、
構想・意匠・思想的内容を創作した主体と、
その具体的作業を創作者の指示に基づき技術的に代行した主体との役割の違いが、
適切に区別されなければならないという、
著作権制度の根幹に関わる重要な論点を含んでいます。
その意味において、本件は特定の当事者間にとどまらず、
すべての創作者の権利と表現の自由に影響を及ぼし得る社会的課題であると考えています。
当山は、感情的な対立や非難を目的とすることなく、
法の定めと司法の判断に基づき、
正義と公益を守る立場から、毅然として対応を続けてまいります。
現在、大日如来像は、
一年を通して、堂外からガラス越しに無料で拝観いただける形で公開を継続しております。
日々、多くの方が足を止め、静かに手を合わせ、
深い感動の声を寄せてくださっています。
また、令和8年には、4月・5月・10月・11月の各月の日曜日に、堂内特別拝観を予定しております。
これは、寄付者の皆さまへの責任であり、
信仰と文化を社会に開き続けるという当山の務めです。
本像は、
寄付者の皆さまのご善意と、社会への公開を前提とした当山の構想と決断によって生まれました。
その信頼に応え続けることこそが、
当山に課せられた最も重い責任であると考えています。
信仰と文化は、
誰かの都合や一時的な争いによって閉ざされるものではありません。
法の下で守られ、社会に開かれ、
次の世代へと静かに受け渡されていくべきものです。
新たな年においても、
当山は変わることなく、誠実に、そして揺るぎなく、
本像の公開と公益的役割を果たし続けてまいります。
これまでのご支援に、心より感謝申し上げますとともに、
皆さまの新しい一年が穏やかで実り多きものとなりますよう、
心よりお祈り申し上げます。
合掌
讃岐国分寺
住職 大塚純司 九拝


