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空海の大日如来像再現プロジェクトに関するご報告

2026.03.05

空海の大日如来像再現プロジェクトにご支援くださった皆さまへ

平素より讃岐国分寺の大日如来像建立事業に温かいご支援を賜り、心より御礼申し上げます。
また、本事業に際し全国各地より尊いご寄付をお寄せいただきましたこと、改めて深く感謝申し上げます。
このたび、本件仏像の公開をめぐり当山と彫刻家との間で続いていた仮処分事件について、令和8年3月2日、高松高等裁判所は彫刻家側の抗告を棄却する決定を行いました。
本件仏像は多くの皆さまのご寄付によって建立されたものであり、その公開に関わる問題であることから、寄付者の皆さまへの説明責任を果たす目的で、裁判の経緯と裁判所の判断をご報告申し上げます。

1 裁判の結論

高松高等裁判所は、本件について次のとおり決定しました。

・彫刻家側の抗告を棄却
・抗告審で追加された申立ても却下
・手続費用は彫刻家側の負担

この決定により、仏像の公開等を差し止める法的根拠は認められず、
国分寺による仏像公開は著作権侵害には当たらないという判断が示されました。
2 三つの裁判所が一致して示した判断
本件についてはこれまでに
東京地方裁判所
高松地方裁判所
高松高等裁判所
という三つの独立した裁判所が審理を行っています。
そしてこれらの裁判所はいずれも、
仏像の所有権が国分寺にあること
国分寺による仏像公開を妨げる法的根拠は認められないこと
を認める判断を示しています。
すなわち、三つの独立した裁判所がそれぞれ審理を行った結果、
いずれも国分寺の正当性を認める判断が示されたことになります。
3 裁判所が認定した重要な事実
高松高等裁判所は、本件仏像について次の事実を認定しています。
・本件仏像は国分寺に祀られる信仰の対象として制作されたこと
・仏像は完成後、国分寺に搬入・設置され公開されることが予定されていたこと
仏像は令和5年8月頃には公開に耐え得る状態に完成していたと認められること
・仏像の所有権は国分寺に移転していると解されること
また裁判所は著作権法の規定を踏まえ、
仏像を注文者に引き渡した場合、その展示による公開には同意したものと推定される
と判断しました。その結果、裁判所は、国分寺による仏像の公開は著作権侵害に当たらない
と結論付けています。
4 仏像公開が遅れていた経緯
本件仏像は、四国霊場開創1200年を記念する事業として建立され、当初は令和5年秋頃に開眼法要を行い公開する予定でした。
しかしながら、その後、彫刻家側が仏像の引き渡しを拒否し、東京地裁の決定に基づく強制執行による引き渡し後も、さらに仏像公開の差止めを求める仮処分が申し立てられたことにより、公開の可否が裁判によって争われる状況となりました。
この仮処分による法的制約のため、当山としては仏像の組み立てと公開を進めることができず、結果として公開が大きく(約二年)遅れることとなりました。
今回、高松高等裁判所が、彫刻家が申し立てた公開差し止めの仮処分には理由がない
と判断したことにより、仏像公開をめぐる法的問題は大きく整理されることとなりました。
5 寄付者の皆さまへのお詫び
本プロジェクトは、全国の多くの皆さまのご寄付によって実現したものです。
本来であれば、建立された仏像は速やかに公開されるべきものでありましたが、彫刻家による引き渡し拒否および公開差し止めの仮処分申し立てにより公開が大きく遅れる結果となりました。
長らくご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
6 当山の考え
本件大日如来像は、多くの寄付者の皆さまの信仰心と志によって建立されたものです。
当山としては、この仏像を信仰の対象として広く公開することこそが、本事業の本来の目的である
と考えています。
現在もなお彫刻家側は従前と同様の主張を続けており、法的手続は完全に終結しているわけではありませんが、当山としては、これまで示された裁判所の判断を踏まえながら、寄付者の皆さまの信仰の思いと仏像公開の目的を守るため、今後も法的手続に適切かつ厳正に対応してまいります。
7 最後に
本件大日如来像造立事業は、弘法大師空海が平安初期に造立したと伝えられながら後に失われた大日如来像を、現代に再現し、信仰と文化を未来へ伝える
という志のもとに行われました。
この志は、全国の多くの皆さまの共感とご支援によって実現したものです。
当山は今後も、
寄付者の皆さまの信仰の思い
仏像造立の本来の目的
を守りながら、
信仰と文化を未来へ伝える使命を果たしてまいります。
具体的には、今春も4月・5月の毎週日曜日に、堂内拝観体験プログラムを実施する予定です。
一般的な仏像を正面から見るだけの拝観とは異なり、
本プロジェクトは堂内空間そのものも作品となっており、
仏教世界を表現した堂内空間に入り込み、住職の説明を聞きながら、
仏像の周囲360度を巡るという自身の体(五感)を通じた、
ここでしかできない唯一無二の感動体験です。
さらに、昨年の秋に公開した時の状態から、
・台座のグラデーション塗装
・最新の照明器具の追加更新
など、より感動を味わっていただけるよう、日々、堂内環境の改良進化を続けておりますので、
皆様におかれましては、すでに特別拝観頂いた方もそうでない方も、
ぜひ、本体験プログラムにご参加くださいませ。
引き続き、皆さまのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
合掌
讃岐国分寺
住職 大塚純司 九拝

境内全域にほぼ段差がなく車椅子で全てお参りできます*個別お堂の参拝には段差がございます

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