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東京高等裁判所決定文の全文公開について|説明責任の履行

2026.04.04

【東京高等裁判所決定のご報告】

令和8年3月27日、東京高等裁判所は、本件仏像の引渡し仮処分に関する抗告事件において、彫刻家側の抗告を棄却し、当山の主張を認め、原決定を維持する決定を下しました。

本件においては、これまでに東京地方裁判所、高松地方裁判所および高松高等裁判所において、いずれも当山の所有権および請求の正当性が認められておりましたが、本決定により、四つの裁判所がそれぞれ独立した審理の結果として、同一の結論に至ったことになります。

本決定において裁判所は、当該仏像が当山において公開・展示されることを前提として制作契約が締結されたものであること、当山が制作費として多額の支払を行ってきたこと、また完成に至るまでの経緯において当山および関係者が公開に向けた準備を積み重ねてきたことなどの事実関係を詳細に認定しました。

その上で、彫刻家側が主張する著作権および著作者人格権に基づく公開の制限については、本件の経緯および契約の趣旨に照らし、「権利の濫用」に当たると明確に判断されました。

また、制作の性質や未完成部分の存在を理由として引渡しを拒むことはできないこと、契約の解除および完成部分の引渡請求が法的に認められることについても、裁判所は具体的事実に基づき判断しています。

これらの判断は、本件仏像が当山に帰属し、広く社会に公開されるべきものであることを法的に裏付けるものであり、同時に、本件に至った経緯およびその背景事情についても、司法の場において客観的に明らかにされたものと受け止めております。

当山といたしましては、本決定を厳粛に受け止めるとともに、四つの裁判所において示された一連の判断の重みを踏まえ、法の適正な運用により社会の秩序が維持されることの意義を改めて深く認識しております。

本件仏像は、多くの方々のご支援とご理解のもとに制作され、公開を通じて社会に還元されることを目的としてきたものであります。今後は、その本来の趣旨に立ち返り、仏像の公開・活用を通じて、広く社会に貢献してまいります。

これまで本件に関心を寄せてくださった皆様、また様々な形でご支援を賜りました方々に対し、心より感謝申し上げます。

合掌

 

令和8年4月吉日
讃岐国分寺
住職 大塚純司拝


【全文公開】東京高等裁判所決定文|本仏像プロジェクトに関する説明責任の履行

今回の仮処分手続がすべて終結したことを受け、当山には寄付者の皆様および各報道機関より、本件裁判の経緯および内容について、より詳細な説明を求めるお問い合わせを多数頂戴しております。

当山といたしましては、本仏像プロジェクトの主催者として、寄付者の皆様ならびに社会全体に対する説明責任を誠実に果たすことが不可欠であると考えております。

そのため、本件に関する理解を可能な限り正確に共有する観点から、裁判所の判断内容を恣意的に要約・抜粋することなく、原文のままお示しすることが最も適切であるとの判断に至りました。

ここに、東京高等裁判所が本件について示した決定文を、全文そのまま掲載いたします。

なお、本資料は裁判所の決定文を原文のまま掲載するものであり、特定の部分のみを抽出・編集することによる誤解を避ける趣旨によるものです。

当山は、本プロジェクト発願当初より、一貫して公正かつ誠実な姿勢をもって本件に臨んでまいりました。今後も引き続き、本件裁判に関する経過および内容について、寄付者の皆様ならびに社会に対し、適切かつ継続的に説明責任を果たしてまいります。


以下、PDFファイルにて、東京高等裁判所の決定文全文を掲載いたします。
国分寺×大森暁生 抗告決定(東京高裁)

また、先行する他3つの裁判所の決定文も以下から全文をご確認いただけます。
令和7年2月28日東京地裁仮処分決定
20260304高松高裁決定文
高松地裁 仏像公開差し止め仮処分解除の決定 250731

東京高等裁判所決定文(全文掲載)

(注)自動テキスト化しておりますので、その際の処理ミスの可能性がございます。正確な文言は上記のPDFファイル原本にてご確認ください。

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-8.4.1-

法律事務所
令和7年(ラ) 第839号 動産引渡仮処分決定認可決定に対する保全抗告事件(原
審・東京地方裁判所令和5年 (モ) 第53099号)
決 定
東京都足立区千住宮元町31-18
抗 告 人  大森 暁生
同代理人弁護士
川 添 丈
余 頃 桂 介
河 野 壮 志
高松市国分寺町国分2065番地
相 手 方 国 分 寺
同代表者代表役員 大 塚 純 司
同代理人弁護士 中 田 祐 児
小 泉 博 嗣
島 尾 大 次
高 木 誠 一 郎
益 田 歩 美
美 馬 和 仁
伊 丹 元 哉
主 文
本件抗告を棄却する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
理 由
第1 抗告の趣旨及び理由
抗告の趣旨及び理由は、保全抗告申立書、保全抗告申立理由書及び保全抗告
第1主張書面〜第7主張書面(ただし、第3主張書面は令和7年9月17日受
付のもの)に記載のとおりであり、これに対する反論は、保全抗告答弁書(令
  • 1 – (p. 1)

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和7年5月14日付けのもの) 及び保全抗告主張書面1〜主張書面5に記載の
とおりであるから、これらを引用する。
第2 事案の概要等(以下、略称は、新たに定めるほかは、原決定の例による。)
1 宗教法人である相手方は、平成25年4月頃、彫刻家である抗告人に対し、
相手方において公開、展示等に使用することを目的として、空海が平安初期に
造立した大日如来像を再現した大日如来像及びその付属設備一式(本件仏像)
の制作を依頼した(以下、本件仏像の制作に係る相手方と抗告人との間の契約
を「本件契約」という。)。
本件は、相手方が、民法641条により本件契約を一部解除したと主張して、
抗告人に対し、所有権に基づき、本件仏像の完成部分の仮の引渡しを求める仮
処分の申立て(本件仮処分申立て)をした事案である。
2 東京地方裁判所は、令和5年11月22日、相手方の本件仮処分申立てを認
容する決定(本件仮処分決定)をしたところ、抗告人は、これを不服として保
全異議を申し立てた。
3 原審は、相手方は、本件契約が不代替的作為義務を目的としている等の事情
があっても、民法641条により本件契約を一部解除することができ、本件仏
像の完成部分の所有権は制作費相当額を支払った相手方にあり、抗告人の公表
権、同一性保持権、展示権の主張は権利濫用に当たるなどとして、所有権に基
づく本件仏像の引渡請求権を認めて、本件仮処分決定を認可したところ、抗告
人がこれを不服として保全抗告をした。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も、本件仮処分申立ては、被保全債権である所有権に基づく本件仏
像の引渡請求権の疎明があり、相手方に生ずる著しい損害を避けるための必要
があると一応認められるから、本件仮処分申立てを認めた原々決定は相当であ
ると判断する。その理由は、抗告理由を踏まえて次のとおり補正するほかは、
原決定の「理由」 中の 「第3 主たる争点に対する判断」に記載のとおりであ
  • 2 – (p. 2)

3ページ目

るから、これを引用する。
(1)原決定4頁1行目の「令和2年12月発行の雑誌においては、」の次に「抗
告人にも取材した上、」を加える。
(2) 原決定4頁6行目の「公表した」を「公表することとして、その原稿を作
成した」と改める。
(3) 原決定6頁2行目から同3行目にかけての「債権者の「天蓋」に対する提
案に関し」を「相手方からの「天蓋」の設置に関する作業の実施についての
提案に対し」と、同4行目の「実施は困難であり」を「実施は困難である旨を
述べ」とそれぞれ改める。
(4) 原決定6頁6行目から同7行目にかけての「本件仏像の完成内覧会も中止
となった。(甲52の9・11)」を「抗告人は、同月28日、本件仏像の完
成内覧会を中止することを決定した。(甲52の9〜11)」と改める。
(5) 原決定6頁21行目末尾に「相手方は、抗告人に対し、令和5年10月6
日到達の同月5日付け主張書面5をもって民法641条等に基づき本件契約
を解除するとの意思表示をした(以下「本件解除」という。)。」を加える。
(6)原決定8頁7行目冒頭から同11行目末尾までを次のとおり改める
「さらに、前記認定のとおり、抗告人は、令和5年2月23日の相手方、
設計事務所等との打合せや同年8月17日までの抗告人の個展の開催、輸
送業者の手配等を踏まえて、同月25日に本件仏像の引渡しを行う旨を確
認した上(認定事実(11))、同年4月には、同年7月14日から本件仏像
の完成内覧会を行うことを決定し(同(13))、同年6月には、抗告人主催
のイベントにおいて、本件仏像に関する展示パネルを設け、同パネルに同
月末に工房にて完成、同年8月末に本件大日如来堂に納入する旨を記載し
(同(15))、同年6月28日までは、個展の開催と並行して、同年7月1
4日から完成内覧会を行う前提で準備を進めていたこと(同(16)、(17))
が認められる上、同年10月6日の本件解除の時点においては、本件契約
  • 3 – (p. 3)

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に未履行部分があるとしても、当該未履行部分は抗告人がいうように「内
覧会を中止にしたことで、仕上げにもさらにもう少し欲が出てき」たとい
う程度のものと考えられるから(甲52の11)、本件契約の大半は履行
済みであったものと認められる。このような事情の下においては、仕事の
既履行部分の可分性や利益性を満たしているものといえるし、抗告人が本
件仏像の制作が不代替的作為義務であることを理由として本件仏像の引渡
しを拒絶することはできないというべきである。したがって、本件解除が
可分性や利益性の要件を満たさないこと、本件仏像の制作が不代替的作為
義務であることを理由として、抗告人が本件仏像の引渡しを拒むことがで
きる旨の抗告人の主張は採用できない。」
(7) 原決定8頁17行目冒頭から同9頁18行目末尾までを次のとおり改め
る。
「ウまた、抗告人は、抗告人には展示権、同一性保持権あるいは公表権が
あることを主張する。
しかし、抗告人が著作権 (展示権) 又は著作者人格権(同一性保持権、
公表権)を有するとしても、それらの侵害の停止又は予防を請求し(著
作権法112条1項)、それらの侵害に対する損害賠償を請求する(同
法114条)ことなどができることはさておき、当該著作権又は著作者
人格権の客体である本件仏像の所有権に基づく引渡請求権の行使を阻止
することが直ちにできるものとはいえない。
この点を取りあえずおくとしても、前記認定のとおり、本件契約は、
本件仏像を相手方において公開、展示等に使用することを予定して締結
されたものであり、平成25年4月頃の契約締結時には、制作期間3年、
制作費3000万円を目安としていたところ(認定事実(3))、抗告人の
多忙等を理由に、制作期限は平成31年4月末、令和3年3月末と次々
と延期され(同(4)、(5))、制作費も既に8000万円を超える額を相
  • 4 – (p. 4)

5ページ目

手方が抗告人に対し支払っていた中で(同(4))、令和4年9月以降、抗
告人の意向、その個展の開催、輸送業者の手配の都合等をも踏まえて、
引渡日を令和5年8月25日、開眼法要の実施日を同年10月7日とす
る日程が決定され(同(10)、(11))、本件契約の当事者双方において、本
件大日如来堂の改修等の請負契約の締結・改修作業の実施、完成公開予
定の公表、完成内覧会の日程の決定、上記日程を前提としたクラウドフ
ァンディングの実施、テレビ局や新聞社による取材への対応など、上記
日程に沿った行動を積み重ねていたこと(同 (12)〜(16)、(18))が認め
られる。それにもかかわらず、抗告人は、同年8月に至って、従前は作
成を不要としていた契約書を作成しなければ本件仏像を引き渡さない旨
主張し(同(19)、(20)、甲61の1・2)、契約締結時の制作費の目安で
ある3000万円や、本件仏像の制作費と本件大日如来堂の改修費等の
合計額が1億3500万円であることを前提とする従前の言動から大き
く乖離した6億3360万円をもって相手方が抗告人に対し支払うべき
報酬額であると主張するに至っていること(同(9)、(25))などを踏まえ
ると、本件仏像を相手方において公開、展示等に使用することが当初か
ら予定されており、これを前提としたクラウドファンディング等により
第三者からの多数の寄進等がされていたことを抗告人も知悉していたに
もかかわらず、抗告人が相手方に対し展示権、同一性保持権あるいは公
表権を主張して、本件仏像の所有権に基づく引渡請求権の行使を阻止し
ようとすることは、権利の濫用に当たるというべきである。」
(8) 原決定9頁23行目の「支払っている。」の次に「クラウドファンディン
グ等により第三者からの多数の寄進等がされている」を加え、同10頁11
行目の「(なお、」から同12行目末尾までを「。抗告人は、民法246条1
項ただし書により、相手方が材料費を上回る代金の支払をしていたとしても、
相手方に所有権は帰属しない旨主張するが、乙12の簡易鑑定評価書によっ
  • 5 – (p. 5)

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ても、本件仏像の価格が材料の価格を著しく超えることが疎明されたもの
は認め難いから、抗告人の主張は採用できない。」と改める。
(9) 原決定10頁20行目末尾に「抗告人は、相手方が令和7年10月11日
に本件仏像を公開したことから、本件仮処分申立ての目的を達し、保全の必
要性が消滅したなどと主張するが、保全執行を経て本件仏像の公開に至った
ことをもって、本件仮処分申立ての目的を達したなどといえないことは明ら
かであり、抗告人の主張は採用できない。」を加える。
2 以上によれば、原々決定を認可した原決定は相当であり、本件抗告は理由が
ないから、主文のとおり決定する。
令和8年3月27日
東京高等裁判所第7民事部
裁判長裁判官 市 原 義 孝 (印)
裁判官 古 庄 研 (印)
裁判官 鈴 木 和 孝 (印)
  • 6 – (p. 6)

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これは正本である。
令和8年3月27日
東京高等裁判所第7民事部
裁判所書記官 厚 木 由 希 (印)
  • 7 – (p. 7)

境内全域にほぼ段差がなく車椅子で全てお参りできます*個別お堂の参拝には段差がございます

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