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大日堂内展示空間、ついに完成。― 私から世界へのラブレター ―

2026.07.10

堂内展示空間、ついに完成。

― 私から世界へのラブレター ―

昨年(2025年)10月の初公開以来、多くの皆様にご参拝いただき、誠にありがとうございました。

公開後も私は、「より理想に近づけるにはどうすればよいか」を考え続け、この一年をかけて、堂内展示空間にさらなる改良を加えてまいりました。

主な変更点は次のとおりです。

  • 仏像を載せる台座にグラデーション塗装を施し、漆黒の闇の中から大日如来が静かに浮かび上がるような空間演出へ改良しました。
  • 八大明王の獅子と三種類のガラス製蓮華座(本尊・獅子・三十七尊)の美しさを最大限に引き出すため、最先端テクノロジーを用いた照明器具を新たに設置しました。
  • 下塗りの状態であった床のエポキシ塗装に仕上げ塗装を施し、展示空間全体が一つの作品として完成しました。

これにより、私が構想していた堂内展示環境は、ようやく完成形を迎えることができました。

2026年10月・11月の特別堂内公開では、より洗練された、この完成した空間を、ぜひ多くの皆様に体感していただきたいと思っております。

そして、この一年を振り返っていた時、あるテレビドラマのワンシーンが、私の心に深く響きました。その場面をきっかけに、改めて「私はなぜこの仏像を創ったのか」を文章にしました。以下、その全文をご紹介いたします。

【正義感を振りかざして】

先日見たドラマで、とても心に残る場面がありました。

今田美桜さん演じる救命医の主人公は、友人の結婚パーティーで、美容クリニックに勤務する友人医師からこんな嫌味を言われます。

「救命医になって正義感振りかざして、さぞかし気持ちいいでしょうね。」

主人公は一切反論しません。その直後、遠くで救急車のサイレンが鳴り響きます。

耳を澄ませた主人公は、

「近い…。ポンプ(消防車)も出てる。」

そうつぶやくと、

「私、先に出るね。」

と言って駆け出します。

「ちょっと、どこ行くのよ?」

友人の問いかけに、主人公は振り返り、静かにこう答えました。

「正義感、振りかざしてくる。」

この一言に、私は強く胸を打たれました。
理想を口で語ることは簡単です。
でも、本当に大切なのは、その理想のために行動し続けることです。
そして、それは決して簡単なことではありません。

私は、自らが思い描いた大日如来像を完成させ、公開するまでに、発願から十五年という歳月を費やしました。

その道のりには、膨大な史料調査と研究、制作、資金集め、そして完成後には、想像もしなかった裏切りや裁判、困難を極めた強制執行、さらには不当に公開を妨害されるという大きな試練もありました。

決して綺麗事だけでは済まない現実を、私は身をもって経験しました。

それでも、私の理想は微塵も揺らぐことはありませんでした。

むしろ、そのすべての経験が、この仏像に込めた願いを、以前よりもさらに強く、確かなものにしました。

私は、この世界が決して綺麗事だけでは済まないことを知っています。

それでもなお

いや、だからこそ

私はこう言います。

「この世界は生きる価値がある。
あなたの人生は、生きる価値がある。」

その想いを、単なる言葉ではなく、目に見える形として伝えたい。
その一心で、私はこの仏像をゼロから創造しました。

これは芸術作品ではありません。

私から世界へのラブレターです。

私は、このラブレターを、一人でも多くの人に届けたいと思っています。

しかし、本当に届けたいのは、ただ多くの人ではありません。

人生に絶望し、生きる意味を見失い、それでも懸命に生きようとしている人。

かつて、この仏像を作ろうと決意するきっかけを与えてくれた、重い障がいを持つ娘さんを抱えながら、懸命に生きておられたお父さんのような人です。

そんな人に、このラブレターが届いてほしい。

そのために、私はこれからも発信し続けます。

綺麗事だと言われても構いません。

理想論だと言われても構いません。

私は死ぬまで、このメッセージを語り続けます。

「この世界は生きる価値がある。」

正義感を振りかざして。

 

合掌

讃岐国分寺住職

大塚純司 拝

境内全域にほぼ段差がなく車椅子で全てお参りできます*個別お堂の参拝には段差がございます

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